造作買取請求権とは
賃貸人の同意を得て、建物に造作(畳・建具・水道設備・エアコン等、賃借人の所有物であり賃貸建物の使用に客観的な便益を与える物)がある場合、借家契約の期間満了や解約申入れといった賃貸借契約の終了時に、賃借人が賃貸人に対し、その造作を時価で買い取ってほしいと請求することができます。これを造作買取請求権といいます。
賃借人の賃料不払いなどの債務不履行や無断譲渡・無断転貸によって契約が解除された場合はこの権利を行使することはできません。この場合でも当事者の合意で賃貸人が造作を買い取ることは可能です。
造作買取請求権は形成権とされており、賃借人が賃貸人に対して、造作を買い取ってほしいと告げるだけで、造作についての売買契約が成立したのと同様の効果が発生します。この造作買取請求権は賃借人の権利ですが、賃貸人との合意でこの請求を排除する特約を締結することはできます。
賃貸人が賃借人の付け加えた造作を買い取りたくないと考えている場合は、あらかじめ賃貸借契約書において「賃借人が付け加えた造作は買い取らない」と定めることができます。この特約を定めていても、賃借人が造作を付け加えることは可能です。
吉原行政書士事務所
吉原俊治
- カテゴリー
- 法律マメ知識